これらは、千葉県に限りません、官公庁、地方自治体、独立行政法人など、
多くの組織内で広く行われている事柄です。
知事は、「もう一度生まれ変わるつもりで公務員としての原点を再認識し、
県民から、信頼される県庁を一丸となって作らなければならない」と述べていますが、
「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」の譬え通り、同じことが繰り返されていきます。
今回の千葉県の不正経理調査した結果では、
職員が個人的に消費したと疑われるものが推計7億円に上っています。
当然ながら管理職だった職員やOBに返還を求めていくべきです。
そして、その結果を国民に知らせるべきです。
不正が発覚したのは、出先機関を含む401部署のうち383部署です。
私的流用などが疑われる使途不明金が約1億1100万円もありました。
業者側に累積した「プール金」は、4億1800万円にも上っています。
プール金の多くは再生紙やボールペンなどの消耗品、事務机や書棚、
冷蔵庫やコーヒーメーカー、将棋盤、卓球台などの購入に使われていたようです。
返還請求の対象となる管理職は3400人、OB2千人の計5400人です。
調査対象期間の前知事ら県のOBら約2000人も対象になっています。
この不正経理問題で、県に事務用品を納入している業者は、
県側が、物品が納入されたかのように装って架空の代金を支払い、
業者にそのカネを管理させる「預け金」が慣例化していて、
約40年前から「預け金」を持っていたと証言しています。
この業者は、「預け金」の口座を設けており、最も多かった1990年代半ばごろ、
最大で1億円の預け金があったといいますから驚きです。
毎年度末の3月になると、県の大半の課から連絡があり、
「カラの書類を作って欲しい」と頼まれたそうです。
業者は求めに応じ、消耗品などを大量に納入した架空の伝票を作っていたのです。
何れ、業者への手数料支払い問題も浮上してくるでしょう。
千葉県が2003〜2007年度の5年間に、代金を業者の口座にプールした、
不適正な経理が約30億円に上ったことが明らかになっています。
職員の記憶がはっきりしないなどの使途不明金も約1億1千万円にのぼります。
先に、同県の農林水産部物品購入担当職員3人が詐欺容疑で逮捕されています。
3人は「預け」で県費約2300万円をだまし取ったとされ、
家族や愛人の生活費に使い、コンパニオンを呼んで高級料亭で遊興していました。
現金が必要になると、業者に連絡して口座の金を届けさせていたのです。
先般、国の補助金が26億円余り注ぎ込まれていた社団法人があります。
問題となっているのは、農林水産省などが所管する社団法人
「日本農村情報システム協会」で、不正な会計処理が発覚しました。
協会の発表によりますと、国から受け取った補助金は創立時の
1975年度から2008年度までの34年間で、26億6000万円にのぼります。
これらはすべて農水省の補助事業を通じたもので、
多い年には年間8億円の補助金が支払われていました。
補助金については農村の情報化のための調査や、
気象情報を提供するシステム作りに適正に使われたと説明していました。
しかし、業務の委託先に6億4000万円あまりの過払いがあったほか、
協会の役員と委託先の理事長を兼務していた人物に二重に報酬を支払うなど、
不適切な点が指摘されていました。
国庫補助金は消化し切れなかった場合、年度末に国に返納する義務があります。
補助金を出す側の省庁は、余剰分の返納を嫌う傾向があるようです。
翌年の予算編成で財務省の減額査定の対象となるからです。
不正経理を助長させた背景には、国と地方の持たれ合いがあるのです。
この構図は政権交代を機に変えなければなりません。
そして、地方分権化の道筋を明確にするべきです。
また、官公庁の組織的な裏金づくりが相次いで発覚しています。
裏金問題で、関係者が告発されても、「嫌疑不十分」として不起訴されたり、
起訴猶予処分にされるケースが多いのです。
かつて厚労省広島労働局の裏金問題では、同省が「公金を裏金にして私的に使った」
などとして、職員が逮捕されたことがあります。
しかし、罪を問われたのは末端職員の裏金詐取だけで、
裏金づくりそのものに捜査の手は及んでいません。
裏金づくりは、あらゆる役人組織で行われています。
そして、膨大な会計書類の偽造が明らかになっています。
カラ出張や、職員の私的飲食、選別金名目などで公金が使われるケースもあります。
不正経理にかかわった国家公務員への罰則強化や、
懲戒処分を徹底する仕組みづくりを早急に行うべきです。
今回の政権交代は、不正防止を実行するいい機会です。
官公庁、地方自治体、独立行政法人などが、無駄遣いしている金は、
毎年、数兆円規模になるでしょうから、これらを有効に使えば、
新政権が考えていることのかなりの部分が、実行可能になります。

