生産調整のための、最低1ヶ月間の工場停止に踏み切ります。
今後数カ月で、各社の減産幅は計50万台程度の規模になる見通しです。
部品メーカーの経営悪化も浮上し、米自動車業界を巡る環境は一段と悪化しています。
そして、公的資金投入に上院が否決し、自動車産業の先行きに暗雲が漂っています。
そもそも、ビッグ3各社は、積極的な合理化に踏み切らず、
現状のまま資金援助を得ようとするところに無理があるのです。
かりに公的資金が投入されるとしたら、国民は納得しないでしょう。
自動車産業の経営者も、全米自動車労働組合も、高レベルの待遇なのです。
世界的な景気後退の不況に陥っている状況を真摯に受け止めたなら、
思い切った改善策を公表しない限り、公的資金投入は許されないのです。
ビッグスリーは、高賃金労働者の比率が高いのです。
清掃係のような人も含め、全てがunion賃金だそうです。
UAW(自動車労働組合)に加入している労働者は、
労賃もベネフィット(福利厚生)も含めると、時給で70ドル。
一方、日本、欧州のアメリカ工場の労働者の時給は、同じベースで45ドルです。
米国の労働組合は年功序列です。
人員削減では若い人から解雇され、中高年の労働者が残ってしまいます。
品質の高い車を低コストで製造できる競争力のある体制にするには、
株主・経営者・労働者を全て巻き込んだ構造改革が必要です。
米大統領報道官も、自動車産業大手への金融支援は、
労組の譲歩が必要条件だと述べた上で、追加リストラや債権カットを求めました。
米有権者は、ビッグスリー救済に極めて否定的のようです。
世論調査の結果は、半数以上の米国民が救済法案に反対しています。
敗者は市場から退場するというのが米国型資本主義の鉄則なのです。
ビッグ3に公的資金を使って救いの手を差し伸べるのはルール違反になるのです。
ここは、思い切って経営破綻処理をし、一旦経営者も労働者も全員辞職して、
必要な人員を再雇用し、出直すしか道はないのではないでしょうか。
全米自動車業界は、合併などによる経営再編の段階に来ているのかもしれません。


